恋するレンズのむこう
『あず…』
「俺は…!梓じゃ…ない」


梓の名前を呼ぼうとして遮られる。


でもそんな事なんかどうでも良かった。


『梓…じゃないって?』

梓がゆっくりと顔を上げた。


目の前にいる梓は梓じゃない…?


信じれなかった。


『じゃあ、あなたはなんていう名前なの?』



「…陸」


ドキンとした。





「俺の名前は、…片山陸」



かたやま、りく。



梓じゃなくて、陸。


目の前にいる梓は梓じゃなくて陸。




じゃあ、さっきベッドで寝ていた人が梓なの?


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