Alice in world of darkness
「説明、お願いします」
ネコちゃんの前でお願い、とポーズを取ると少し顔を赤くしてニッコリ笑ってくれた。
「だからね、ボクは…」
ネコちゃん曰く、
白兎達とは逆で生きていた頃、男の子だったらしい。
しかしその時は戦争時で、男の子は嫌でも戦闘員として駆り出された。
戦うことが嫌だったネコちゃんは「女の子」ならイヤなことをせずに生きていけたんだと、子供ながらに思ったらしい。
そしてそのまま戦線で死んで、
次に目が覚めたときは女の子の姿でこの世界にいたらしい。
「…そう、なんだ…」
「そーゆーことなんだっ♪」
ニコニコ笑いながら自分の生い立ちを話すネコちゃんになんだか違和感を感じたけれど、それが何なのかは分からなかった。
「……」
「アリス?」
「…え、…あ」
違和感が気になってボーッとしてしまったあたしを我に返らせてくれたのは白兎だった。
「どうしたの?」
「疲れたんか?」
白兎と同じように心配してくれてるネコちゃんと黒兎を見て、違和感解明という悩みがあたしの脳内から飛んでいった。
「あ、心配かけてごめん!」
急いで否定してみたものの、来てから結構長いこと経っていて疲れているのは本当で。