Alice in world of darkness
Twin rabbit


10分くらい歩いて
ようやくピンク屋根の家の前まで来た。


遠くからじゃわからなかったけど、どうやらウサギをモチーフに作られたらしく、屋根の左右に長い耳がついてきた。



かわいい家だなぁ。
どんな人が住んでいるのかな。


期待に胸を膨らませながら、あたしはピンク屋根の家の扉を叩いた。



「すいませーん」


「はーい?」


高めの綺麗な男性の声。


ガチャと音を立てて開けられた扉から覗いたら人は、白いウサギ耳が生えた茶髪で赤目のカッコイイ男の人。

このピンク家が似合うくらいの可愛らしさもある彼にあたしは見惚れてしまった。



「何か用ですか?」

「あ…!」

ニッコリ笑顔で問われて、慌てて聞きたいことがあったことを思い出す。

でも、いきなりなんていえばいいの?

「あの、あたし…」
「もしかして、君が“アリス”?」

「え…?」


なんで、あたしの名前…

聞こうと思った瞬間、あたしは彼に手を引かれて家の中だった。


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