Girls ホスト


『今は誰もいないの。入って』

「お邪魔します」


『ペットボトルのジュースしか無いけどいい?あとは冷凍ピザ』

「気ぃ使わなくてもいいから」


私達はガランとしたリビングのソファーに向かいあって座った


そして早瀬君に全てを話した


『ホストになった理由はね、学費を稼ぐ為だったの。会社倒産しちゃってさ

キャバだと男の人相手にしなきゃいけないし、あんまり変装できないからホストを選んだの。

シュウヤには学校祭でバレて弱味を握られて……ごめん』


私が言い終わると


フゥっと溜め息をついて早瀬君は口を開いた


「なんで俺に言わなかったんだ?そんなに信用ねーかな?」
『嫌われると思ったら言えなかった。ずっと中等部の時から片思いしてたから』
「両方失うんじゃないかって怖かった」

『え?両方?』


私は両方の意味がわからなかった


「俺はカズキってゆう一番のダチを失ったんだぞ!」


視線を右にずらし、ふてくされた顔で話す

そんな早瀬君がちょっと可愛く見えた


『そっか。ごめん!本当にごめんなさい!』


私は早瀬君に深々と頭を下げて謝った


ドスン


『………へ?』


私の隣にドサッと座りじっと見つめる早瀬君


『ちっ近いよ!』

構わず顔を近づけてくる


「俺さ、マジでムカついてんだよ」

『はい!わかります』


「だからさ、俺の怒りを鎮めてくれよ」

そう言った瞬間ソファーに押し倒された



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