風と共に...
「沙耶沙耶ー、沙耶沙耶ー」


しまいには人ん家の前で勝手に作詞作曲して歌っちゃっている。


「ラブラブねー」
「うっさい!」


ママも冷やかしをいれてくる。


やっとアイロンが温まり、髪にアイロンをあてた。


「何で沙耶はコテ巻かないの?」
「ストレートがいいの」


ママはいつも私にコテを勧める。


だけれど、私はどうにもコテを使いたい気持ちにならない。


と、いうより私に巻き髪はあわないしね。



「ごめん、待たせた」

(と、言っても待ち合わせより五分早いし)

「もう遅いよ沙耶ちーん」


この馬鹿男はへらへらと朝っぱらからテンションが高い。


こんなんで陸上の全国大会優勝とは凄いものだ。


そう、この馬鹿男、松風智樹は陸上のトップランナー。


そしてその馬鹿男の隣にいる私、新城沙耶(あらき・さや)も陸上部で智樹とは幼なじみでもある。


いつも、私と智樹…と、今はいないけど親友の彩の3人で学校までいってる。


と、いうより日々を共に過している。
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