秘密の片思い 番外編①
* * * * * *



数日後、郁斗が帰宅すると愛はいなかった。



今日は試合もなく練習だけで終わらせたが、今の時刻は午後5時を回っている。



外はだんだんと暗くなる。


「どこへ行ったんだ?」



携帯はテーブルに置かれたままだ。



半年が経ったと言ってもここは外国で街を歩けば分かるが,イタリアにはすりや女性と見たらすぐに近づいてくる男がたくさんいる。



愛も郁斗と歩いているにもかかわらず声をかけられたことがある。



あの時は愛が立ち止まってショーウインドーに並ぶ靴を見ているのを郁斗は気づかず歩いてしまった時だ。




愛が1人で出かける時の事は詳しく話さないが、きっと声をかけられているのではないかと郁斗は思っていた。



「まずいよな・・・どこへ・・・?」



心配でうろうろと部屋の中を歩き回る。


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