シークレットダイヤル☆
ピンポーン

「ドックケアステップです」


「あっ、開いてるんでどうぞ」



「失礼します」


あっ


竹田さんに大人の男性を感じた

「金城と申します。
よろしくお願いします。
ワンちゃんのお名前は?」

「ハルって言います」


「あっ!お誕生日が春なんですか?」

軽く探りを入れる


「ハルと出会ったのが桜が満開の春だったんだ」


「素敵ですね」

これは怪しいぞ


「ハルちゃんの色って珍しいですよね?」


「そうかな?前の彼女が飼ってたのも同じ色だったよ」


「そうなんですか」

うーん!交わされた


「じゃあ仕事に出るんで
今日は直帰だから午後5時には帰ってきます。」


「はい。わかりました。
コースが終了したら鍵をポストインしておきますね」


「お願いします」


「はい。いってらっしゃい」


竹田さんを見送って急いでゲージの掃除開始

「ハルよろしくね」

次は餌やり

「はいどうぞ」




「ハル

名前を呼ぶとこっちを見る

可愛い


「コロン」

あっ向いた

「チョコ」

「バニラ」

「コロン」

デタラメに名前を呼ぶと知らん顔なのに

「コロン」って呼ぶとこっちを向くよ


「あんたはハル?コロン?どっちなの?」


しばらくしてハルを散歩に連れて行った

隣町の佐川さん家の
近くを歩く

ハルの行きたい方に歩かせてみる



やっぱり…


ハルは急に走り出して迷うことなく佐川さん家に入って行った



ワンワン


ガラガラ


「コロン」

佐川さん夫婦は涙を流しながら ハルを抱きしめた
   (T_T)


「この子は正真正銘コロンです。

ここのブチがハートになってるでしょ?」


「あーほんとだぁ」


「3ヶ月間大事に育てられたんだと思います。

コロンの表情や毛並みを見れば
愛情を込めて世話してくれてたんだとわかります。

拾い主さんに会ってお礼が言いたいわ」

「はい。担当の物を呼びます。」
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