シークレットダイヤル☆
朝の学校

予鈴が鳴った

   ヤバイ


あたしはケイのクラスにいたので急いで戻る


ちょっと早歩き


廊下から階段に差しかかるところで誰かとぶつかった…


    ドン






  「いってぇなぁ」

男の子とぶつかった


あたしはとっさに膝をかばったけど転んでしまった


    「ううっ」


膝を押さえてうずくまる




 「わるい!大丈夫?」


 
「あたしも前見てなかったからごめん。

チャイム鳴ったし行って」


   「ああ」


彼はその場を去った




あたしは深呼吸をして立ち上がろうとした。


 膝に力を入れてみた



   「いたっ」



   激痛が走った


4ヶ月間ずっと我慢してきたのに

またバスケができないと思うと涙がこぼれた…


あたしは廊下に腰を落としたまま立てずにいた


「そんなに重症なん?」

   
顔を上げるとさっきの男の子だった…


「ちょっと膝を痛めてたから。気にしないで」
 


彼は何も言わず手を貸してくれた


  「ありがとう」


   「歩ける?」


   「うん。」




一歩足を出した瞬間

膝はかくんとなり彼はあたしを支えてくれた


   「ごめん」



  「あかんやん」


彼はくるってしゃがみあたしをおぶった



   「いいって」


「よくない!俺とぶつかって後でややこしくなるの嫌やから」


あたしはおんぶされて保健室に運ばれた…


高校生になってまさか

おんぶされるなんて、思いもしなかった…
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