メイド in LOVE



それから二年―――


私は17歳になり
舞台に立てるようになっていた。


簡単な曲ではあるが
1人で踊らせてもらえたり

少しずつ舞台での
経験も積んでいった。



演舞団には
年齢ごとに踊る曲が違う。

17歳からは
大人として扱われるのだ。


演舞団の中では
"キリク組"と呼ばれ

より難易度が高い曲を
練習する踊り子のグループがあり

私もそれに選ばれた。


相変わらず
雑用的な仕事もしていたが
団長から指導を受ける
時間は長くなっていた。


団長の指導も
厳しくなっていったけど
それにも負けず
食らいついていった。



そして…
"キリク組"の中でも
3人しか選ばれない
花形に選ばれることが出来た。




「今まで、よく頑張ったな
おめでとう!」


「キース団長…
ありがとうございます!」


「私は実力で選んだだけだよ
それに、17歳で
選ばれたのは
リザが初めてだ。
やはり私の目は
間違って無かったよ。

けどな、リザ…お前には
確かに素質はあるが
選ばれたのは
お前の努力の賜物だ。

毎日毎日、私の厳しい指導に
着いてこれたのは
今までリザだけ…
いや、リザを含めて2人だけだ」


「もぅ1人は誰ですか?」


私の問いかけに
団長は優しく笑った。

「…お前のお母上だよ。
二年も経ってますます
ラナに似て美しくなったな!」


"ラナ"

ずいぶん久しぶりに聞く
母の名前に思わず
涙が溢れていました。




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