メイド in LOVE



静かに涙を流す私に
団長はまた慌てだして(笑)

ハンカチが無いのか
私の涙を指ですくい
頭を撫でてくれました。



「リザがまるで
自分の娘のように
感じる時があるよ。」


「私も………
団長にはたくさんお世話になって
まるでお父さんのように
感じる時があります。」


「ははは!
それは嬉しいな。

では、リザ。
君の母上の話をしようか。
私しか知らないラナの話だ。」




団長しか知らない母の話?






「実はな、君の母上も
君のように親に捨てられて
この演舞団に来たんだ。」


「……えっ!」

あまりの驚きに声が出ない。


「拾ったのは私の父で
踊りを教えたのは私だった。

ラナは君と同じで
教えがいのある
才能溢れる教え子だったよ
1年で"キリク組"の
候補になったくらいだからな」



母に…そんな過去が



「ラナはすぐに
キリク組の花形になった。

トップの踊り子に登り詰め
たくさんの舞台に出演した。

その美貌から
老若男女を魅了し
多くの男性に求婚された。

そして…
君の父上と出会い
君を授かったんだ。」




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