メイド in LOVE
どうしよう…。
突然の事だったが
私はこの人に助けてもらった。
けれど、この人が
必ずしも安全とは限らない。
私はどこへ連れて行かれるの?
そうびくびくしていると…
「…大丈夫か?」
先ほどとは違う
優しげな声に
思わず私は顔を上げた。
「……………っ!」
自分が息を呑むのが分かった。
なんて綺麗な男性だろう。
光の加減によっては
金にも見える茶髪
端正な顔立ち
長い睫毛
高い鼻筋
凛々しい眉
灰色の切れ長の瞳は
どこか寂しげで
彼の雰囲気全てが
ナンバー1を表していた。
今まで出会った男性の中で
これほど綺麗な男性は
今まで見たことが無いと思う。
そう考えていると
彼も私の顔をジッと
見つめていることに
気が付いた。
あ…そういえば
彼にお礼をまだ言ってないわ。
「あの…先ほどは
助けていただき
ありがとうございました。」
「いや…怪我などは無いか?」
「はい、大丈夫です。」
「名前を聞いても良いか?」
「リザです。リザ・ティナ」
「リザ…クロウ国の言葉で
"翡翠"という意味だな。
良い名前だ。」
私の名前の由来を知っている。
この人…顔だけじゃない。
すごく頭も良いんだ。