メイド in LOVE
カチャ
少し沈黙していると
キッチンの扉が開いた。
なかなか良いタイミングだ。
「遅くなって
申し訳ございません。」
そう言いながら
紅茶をレオン様の前に置く。
もちろん私の前にもだ。
カップを置く指先までもが
繊細でとても綺麗だ。
メイドとして
働いている者の手には
全く見えない。
「構わん。
とりあえず、こっちに来い。」
レオン様は自分の座っている
ソファーの隣をポンポンと
叩いてリザを促す。
「あ…えっと、分かりました。」
リザはおずおずとした様子で
ソファーの端の方に座った。