With Love
「キャッ…………」
社会科係のあたしは、授業で使う資料を準備室へ取りに行き、教室へ向かっていた。
階段に差し掛かった瞬間、数冊の資料と共に13段下の踊り場に身体を打ちつけた。
転がり落ちる時、逃げて行く人のスカートだけは目に入ったけれど、
大きな音に気づき、階段上と下から人が集まり始めた頃には、右肘と足首の鋭い痛みのせいでだんだんと意識が遠退いていき……
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「……んっ……」
「柚依、わかるか?」
重い瞼をゆっくりあけたあたしの視界には、真っ白な天井と点滴パックがうつりこんでいた。
声が聞こえてきた方に顔を向けると、心配そうに見つめる魁翔の姿があった。
「……ぃ……と。」
「先生呼んでくるから、待ってろ。」
「ぃやっ、行かないで!」