With Love
「魁翔、柚依ちゃんの環境を一刻も早く整えてあげなくてはいけないとは思う。
けれど……、
二人の将来まで考えるには早過ぎるんじゃないのかな? 夢があるのなら、叶えるための努力をして、土台ができあがってからにしないと、いつか歪みが生じてしまうものだよ。
高校は、地元に進むんだよな?
それなら今は恋愛を楽しむべきだよ。確かに魁翔は人より早く世の中に出てるから、焦るのもわかるが、まだ中学生なんだ。ゆっくりでいいんじゃないかな?」
「父さん、ありがと。また相談しても良い?」
「いつでも待ってるよ。」
オレたちの会話を、複雑な気持ちで母さんが聞いていたなんて、この時は考えもしなかったんだ。