With Love

緊張している先輩たちを和ませるために、顧問の先生は松本先輩の話題を出したのだろう……。


バスは渋滞にはまることなく、試合会場へ向かっていた。


「柚依も一緒に聴くか?」


「うん。」


iPodはあたしも持っているけれど、魁翔と一緒にいるときはいつも片耳づつイヤホンをはめて聴く。


隣に座る魁翔は、リラックスしようとしているけれど、いつも以上の緊張感が伝わってくる。


そんな魁翔に何かしてあげたいけれど、今のあたしには手を握ってあげることしかできなくて……






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