With Love

「柚依ちゃん、行ってあげなよ。」


「……でも」

恵理先輩にそくされ、下に降りては見たけれど、柱にもたれ俯く魁翔の姿が目に入った瞬間、あたしの足は止まってしまった…



どんな言葉をかけてあげたらいい?


魁翔がこの大会にかけていたのを知っていたから…


魁翔の中で決めかねていた未来への一歩が、この瞬間に決まったのだとあたしは感じた。



そしてそれは…、本来魁翔が望んでいた道とは違うのだと彼の涙が語っている。
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