With Love
「おっ、柚依!!」
あたしの存在に気づいた松原先生はこっちに来いと手招きする。
魁翔も先生の言葉で慌てて涙を拭っていた。
「柚依、魁翔を連れて散歩してこい。」
ウエストポーチから財布を出し、千円札をあたしに握らせた松原先生。
「先生………?」
「ジュースでも飲め。」
ほら、持ってっといてやるから……
と魁翔のラケットやタオルを素早く受け取り、先輩と一緒に階段を昇って行ってしまった。