With Love
「つめてぇっ」
あたしはそっと魁翔に近寄り、キンキンに冷えたペットボトルを首筋にあてた。
あまりの冷たさに、後ろを振り向くと同時にガバッと立ち上がった魁翔。
「柚依‼️」
名前を呼ばれたとほぼ同時に、ぎゅっと抱きしめられた。
目の前が真っ暗になり、五感の一つが遮られたあたしには、いつもより速い魁翔の心臓の鼓動と、啜り泣く声だけが身体に響いていた。
両手をそっと魁翔の背中にまわし、
赤ちゃんをあやすように、 トン トン……と。
どれくらいそうしていたんだろ…?
抱きしめられていた身体が少し自由になった。
「…ごめん、オレなさけねーな……こんな姿 柚依には見られたくなかったかも。」
抱きつかれた時の弾みで地面に落ちたペットボトルは水滴すらなくなってた。
「魁翔は、情けなくなんかない。
…もっと、堂々としてて。」
魁翔の腕の中から抜け出し、背伸びをしたあたしは、
そっとふれるだけのキスをしたーーー