モノクロ
アタシは諦めた。
素直にこの人の話を聞いて、おじいさんがすべてを話終えたらもう一度聞こう。そう選択をした。
「ハァーア……すまぬのぅ…見知らぬお嬢ちゃんに長々と……」
柔かく、そして優しくしゃべるおじいさんはとてもいい人そうだ。
「イーエ…大丈夫ですよ?おじいさんのお話を聞くの楽しかったし。」
「そうか?………ありがとうー…。」
気付けばアタシはすっごく優しく微笑んでいた。
「さ……くら…?」
夾はその桜の笑みにドキッと心射たれていた。
「で、今度はお嬢ちゃんの話を聞こうか。」
「ハイ。道を…道を教えてもらっていいですか?」
変なの………
いつものアタシじゃないみたい。