危なくて…でも甘い放課後
瑞希がどういう経緯で攫われたのかは知らないが、こうなった以上は俺が責任を取るしかない




『瑞希ちゃんが今どこにいるかも知らないし、さっき犯人と思しき人から入電があったばっかりなんですよ?』




『分かってる。だが、俺は行くぞ』




『分かりました…』




いささか冷静さを失ってしまう自分がいた




『警視正、犯人からの要求はなんですか?』




『君は知らなくてもよい』




『今から瑞希を救出しに行きます』




『どこに連れて行かれたのか分かるんなら俺らだって苦労しねえな。さあ、席に戻って待機だ』




『いいから教えてください』




『貴様には関係のないことだと言っただろ!』




武田警視正の怒号が会議室中に響き渡り、場内が水を打ったようになった




『警視正が教えてくれないのならば、自分で調べるまでです』




俺は本気だった




本気で瑞希を助け出したい
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