危なくて…でも甘い放課後
警視庁の地下駐車場にある覆面パトカーを使おうかと思ったが、普段左ハンドルに慣れてる俺が右ハンドルを使うのもどうかと思い、結局自分の車で行くことにした




『いいんですか?ご自分の車で』




『ドイツの大統領も愛用しているメルセデスベンツW221なら大丈夫だ』




ドイツ大統領が愛用している云々の件りは嘘か本当か知らないがとにかくこの車は頑丈だ




多分…




『へぇ。すごいですね』




『じゃ、乗って…あ、助手席は反対側ね』




『そうでしたね…』




彼女が普段乗る輸入物のBMWは右ハンドルだから間違えるのも無理はない




だから俺もパトカーに乗る際、よく間違えてしまう




カーナビの電源を入れ、倉庫からかっぱらってきた重々しい無線器具を後部座席に置いた




具体的にどこに行くのか、何をするのかは決めてはいない




『で、これからどこに向かうんですか?』




『ひとまずここで待機しよう。あ、それと瑞希の携帯番号知ってる?』




『いえ』




赤外線通信で瑞希の番号を教えた。ついでに、武田警視正にもメールで知らせた
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