危なくて…でも甘い放課後
コンコン…




戸を叩き返事を待つ




2秒待っても返事がなかったので入った




『失礼します。瀧澤です』




個室でベッドに横になっていた武田警視正は何かをぼやきながら手招きで俺を横の椅子に座るように言った




『今日は…すまんな』




武田警視正の声は恐ろしく小さかった




『いえ』




『恐らく俺はもう残りわずかだろう』




『そんな縁起でもないことを…さっさと回復して一緒に仕事をしましょう』




正直、これを言うのは辛い




ちょいメタボ気味だった武田警視正は頬がすっかり痩せこけてしまっている




誰がどう見ても残りわずかだと分かる




『まあ、いいや。君には少々付き合ってもらいたいがいいかな?』




『構いませんが』




『俺の遺言と思ってくれればうれしい』
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