危なくて…でも甘い放課後
『俺は養育費を払ってはいたが君も知っての通り刑事の安月給だ。給料の半分を渡しても到底足りるものではない。まあ、君には分からないだろうがね』




やや非難げな視線を俺に向けた




『女房も当時は40代だ。正社員で雇ってくれる所なんかたかが知れているとも言い難いくらい少ない。パートで過労死』




やはりと思った




『元々病弱だったのと、俺の折檻が重なって早死にさせてしまった』




『…』




『でもその時に初めて俺は自分がアル中だということを自覚した』




『なぜ?』




『俺は瑞希に面会をしたいと希望しても、瑞希が預けられていた親族が拒否した。アル中とは目も合わせたくないって』




『…』




『別に俺が悲しもうが瑞希にとってはどうでもいいことだった。俺が悲しかったのは瑞希に逢えなっかったことよりも、やっぱり女房の死だな』




『…』




俺はただただ聞くしかない。いろいろツッコミを入れたいがここは自重したほうがいいだろう




『国立の最難関に受かったという吉報を持って、母親の死に直面したのだからな』
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