危なくて…でも甘い放課後
『ちょうど瑞希が中二の時に俺も刑事部から生活公安部に異動になった。そしてその後に瑞希が援助交際をしていることを知らされた』




『…』




『俺は即座に瑞希を補導するつもりでいたが、どうしても彼女に接触することが怖かった』




『どうしてですか?』




『当時、俺は少年総務課の人間で彼女に接触せずにはいられない立場にあったからだ』




『それがどうして…』




『非行少年少女を更生させる。その手本ともなるべき警察官が俺なんかじゃだめだ。という葛藤』




武田警視正は俺の質問に答えるつもりはさらさらなく話を続けた




『まあ理由は諸々あったんだがな。でもそうこうしているうちに瑞希以外の案件で手がいっぱいになって瑞希のことは忘れてしまった』





『そうですか』





『そして君と出会った』




『え?』




『有楽町線の冤罪事件。俺はちゃんと耳に入れてある』




『あ、そうなんですか』




ヤバい…全身の汗腺という汗腺から冷汗が吹き出る
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