危なくて…でも甘い放課後
ブーブーブー




ポケットに入れてあった携帯がピカピカ光った




『もしもし』




『小早川です』




『どうかした?』




『あのこんな時に申し訳ないんですが、葬儀の方なんですけど…』




葬儀…たぶん警察の殉職者として扱われるだろう




『それならば俺じゃなくて…担当部署に注文したほうがいいんじゃない?どこだったかは忘れたけど』




『いや、そっちじゃなくて。武田さんのご遺族、というのに心当たりはありません?』




この時点で俺が知っているのはご遺族と名乗れるのは瑞希だけだ




『瑞希がそう』




『瑞希ちゃん?』




会話が長引きそうだったので首都高を降りて車を停めた




『そう。瑞希』




『でも、瑞希ちゃんの苗字は松村じゃないですか?』




『母方の旧姓だと武田さんは言ってた』
< 190 / 205 >

この作品をシェア

pagetop