危なくて…でも甘い放課後
まるで不法に調べ上げたというような発言




瑞希はまだ口を開かない




『実は、武田平蔵警視正は亡くなった』




『え…?』




俺をポカンとした顔で見た




『こないだの人質事件。犯人の一人からお前を守ったのが武田警視正、つまりお前の父親だ』




『…』




『残念ながらな…』




瑞希は何も写ってないテレビの黒い画面を見ながら目に涙を浮かべていた




『今日言うべきじゃなかったな』




『…』




『折角俺の誕生日を祝ってくれたのに…』




こう言うときは慰めの言葉よりも黙って放っておいたほうがいい




立ち上がろうとしたら瑞希が俺の胸に飛び込んできた




今までになく泣いていた…




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