危なくて…でも甘い放課後
『そいつは傑作だな』




笑うほど可笑しなことではないがどうしても笑ってしまう




『笑い事じゃないし…』




『てか、なんで俺を起こさなかったんだ?この家にゴキブリが出るのはこれが初めてだけど、駆除ぐらいなら俺にだってできるぜ?』




『だって、ぐっすり寝ているあんたの所に行って、ベッドに引きずり込まれたらと思ったら…』




『そんなことはしねぇよ。それよりも10月下旬、暦の上では立冬だぞ?こんなトコで寝てたら風邪ひくだろ』




『別に心配しなくてもいいし。体調管理ぐらい自分でできるから』




あっそ、とだけ言い残しキッチンに向かう




『あそうそう、お前何か飲むか?』




『別にいい』




『答えを聞くまでもない。こっち来い』




ハァと溜息をつきながら松村がこっちに来る




『はい』




友人にもらったブルーマウンテンNo.1を出す




『どうした。飲まないのか?』




『コーヒー…飲めない』
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