危なくて…でも甘い放課後
この刑事に対して喝を入れようかと思ったが、これ以上この件に関わりたくない




俺は無言で部屋を出ていく




池袋駅の前のロータリーでタクシーを捕まえて帰るか




『しかも雨かよ…』




サラリーマンに交じってタクシーを待っていると




『あのー…』




後ろから聞き覚えのある声が飛んできた




振り返ると、この痴漢冤罪の元凶となった女がいた




『あ、君…』




OLかと思っていたが、まだ女子高生だった




『さっきは…ごめん』




水銀灯や自動車のライトが彼女の顔を照らしだす




茶髪だったが割と可愛い




『人を嵌めて楽しいか?』




『嵌めたんじゃない。置換されていたのは本当』




『あ?』
< 4 / 205 >

この作品をシェア

pagetop