危なくて…でも甘い放課後
『まあ、お弁当に入れるものしか作らないけど。で、手伝うの?』



眠いからだるいと思っていたが、二日酔いだ




『手伝う。ただ、二日酔いしているから薬とってくる』




『あ、それなら大根おろしがいいよ?ここにあるし』




『お、サンキュー』




出し巻き卵に使ったと思われる大根おろしを食べる




別に体調が回復したわけでもないがなんとなく気が楽になった




『こういう家事について瑞希詳しいんだな』




『別に。常識だし』




非常識ですいませんね




結果的に手伝うと言っておきながら何もしなかった俺は、手際よく弁当の中を埋めていく瑞希をボケっと見ていた




最終的に、出し巻き卵数切れや、野菜が少々、ウィンナーとベーコン、そして漬物が残った




これだけではなんだか足りないので、ご飯をよそって味噌汁を作った




瑞希も弁当を作り終えてダイニングにやってきた




『いただきまーす』




俺の声だけが響く
< 56 / 205 >

この作品をシェア

pagetop