危なくて…でも甘い放課後
『ちょっと…お前何をしているんだ?』




彼女もタクシーに乗り込んで来た




『いいでしょ?別に。あ、運転手さん上石神井までお願いします』




『おい!俺はそっち方面に向かうつもりはない。降りなさい!』




『出発して』




彼女の声で車は静かに動き出した




今日は散々な日だ。もう、不幸が来るものならもっと降りかかりやがれ、と自暴自棄になった




『上石神井の後は成城学園前まで』




運転手は了解しましたと言う




仕事の疲労が溜って思わずうつらうつらとしてしまった




『ねぇ。警察官だったの?』




肩を叩かれ不意に目を覚ました




『あ?』




口から垂れそうだった唾を飲み込み




さらに、生唾を飲み込んでしまった
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