危なくて…でも甘い放課後
『しねぇよ。ここ、護国寺駅』




『降りる』




『俺は今日帰り遅いから、帰りは電車で帰って。池袋で山手線に乗り換え、んで新宿で小田急に乗ればいい。これ、電車賃。迷子になったら電話しろよ』




財布から千円札を出して渡す




『あ、ありがと…』




もっと素直になればいいのに…




瑞希を降ろして、首都高五号線を南下して桜田門に向かう






30分ほど運転して本庁舎の地下の駐車場に車を停めた




9階の少年総務課に足を運んで今日の業務を開始した




いつもなら目を通すべき書類が山積みされているはずだったが今日は机の表面が見えるほど少なかった




『おはようございます』




いつものように小早川巡査が挨拶をしてくれた




『おはようございます』




そしていつものようにコーヒーが運ばれてくる




『武田警視がお呼びでした』
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