危なくて…でも甘い放課後
『文字盤を見て』




『文字盤?』




瑞希は時計を引き寄せる




『えっと…ロレックス、ファインプラチナム…いいのこんなもの貰って?』




『そっちじゃなくて、下の方』




『M.Matsu…』




瑞希の眼にはうっすらと涙が浮かんでいた





『裏側にはフルネームで彫ってある』




瑞希にはそれが聞こえていないようで時計を握りしめているだけだった




『気に入らないか?』




首を必死に横に振る瑞希




『なんて言えばいいのか…』




音は立てていないが小刻みに揺れる肩が泣いていることを示していた




『ありがと…』




『どういたしまして』




こんなに瑞希に喜んでもらえるんだったら、150万は安いものだ
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