危なくて…でも甘い放課後
『お会計10万4700円でございます』




銀行から下ろしてきたピン札を11枚渡す




釣りはいらないと言って瑞希を連れてレストランを出た




『その…今日はありがとう…』




『誕生日ぐらい祝わなきゃな?』




瑞希はうっすらと笑みを浮かべた




『もう帰りたいか?』




『え…?』




『いや、俺が用意したプレゼントはこれで全部だけどなんとなく熱い飲み物が飲みたくなって…このビルの屋上に行かない?』




『いいよ』




ハイスピードのエレベーターで屋上まで行くと、レストランで見た夜景とは違った趣が感じられた




風は少々強く、冷たい




瑞希が震えだしたので帰ろうとすると、まだここにいたいと言う




仕方なく俺の上着を着せてあげると、そっと俺にその等身大カイロのように温かい身を委ねた
< 90 / 205 >

この作品をシェア

pagetop