危なくて…でも甘い放課後
Chapter 3 融解する放課後

『う~~~ん…』




心地よい冷気に包まれ起きた




高速を飛ばせば電車の半分の時間で通勤できることが分かり、目覚ましを6時半ににセットすることにした




いずれにせよ、瑞希の方がいつも先に起きている




学生時代はコンタクトをしていたが、働くようになってからはいかにして睡眠時間を確保するかに明け暮れ、出た答えがコンタクトの装着にかかる時間を削るだった




縁なしメガネを掛けて、1階に下りるといつも瑞希が香ばしい料理を作っていた




『おはよー』




『おはよう』




レストランに連れていって以来、反抗的だった瑞希は次第に大人しくなっていった




そして数日前、ラインの入っていた髪の毛を濃い茶髪に染め直した




個人的にはあんまり変わっていないと思うが、まあ進歩と言えよう




『ところでさ、食材はいつもどうやって買ってきてんの?』




これは前から思っていた疑問である




この家は親父が亡くなる間際に建てたものだ。母は前の家、すなわち実家に一人暮らししている。兄貴は結婚して即刻アメリカに奥さんとともに駐在となったため日本に家はまだない




従ってこの家には男一人しか住まない




俺は料理には疎く、冷蔵庫には惣菜ぐらいしか入れていないので、いままで瑞希が作ってきたのは自分で買った食材のはず
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