ののしられてなんぼよ
誰もいないのよ。山田を誰もみないよ。

あぁ、赤フンの白ヒゲ野郎。よくわかっているわよ。
流石よ。
山田にとっての本当の地獄。
誰もいない。誰もみないという地獄。

山田がマゾに目覚めたのは、マザーのドメスティックよ。

普段は無関心のマザー。殴る蹴るときだけ、山田をみたのよ。ちなみにマザーが殴るのは、ファザーが殴るとき。ラブの証拠ですって。クレイジー?でも、山田の日常はそんな日々よ。

クレイジーなんて知らないのよ。わからないのよ。
付き合っていたレディから殴られないことがわかって、わかったのよ。
けど、手遅れ。逝き遅れ。

山田のハートには、殴られることはラブよ。他人は知らないよ。

だって山田にとっては常識よ。

イジメも、バイオレンスも見られてないとないのよ。
だからいいのよ。

けど誰いないの嫌いよ。愛も憎しみも見えないよ。
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