拝啓、僕へ【短編】




「なぜ今日死ぬんですか?」




いつの間にか僕はこんなことを聞いていた。




すると彼女は一度僕を見ると
また言った。




「そう設定されてるの。
今日、私は死ぬ。
君はなぜ?」




なぜ………




理由はないと言ったら
怒るだろうか?




僕はうつむいて「特にないです」と細々とした声で言った。




すると彼女は言う。




「そっか…
でもさ、君はいいじゃない。
気持ちがあって、
好きなように動けて、
恋が出来て、
自分の人生があって。
私にはどれも出来ない事よ?」




僕は言葉に詰まった。




この女性が本当にロボットだとしたら確かに僕が当然だと思っていることが出来ない。
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