拝啓、僕へ【短編】
彼女はそのまま腰を上げると
座っている僕に
にっこりとした笑顔を見せた。
今まで見た誰の笑顔の中でも
一番きれいで、
優しく、温かかった。
するとみるみるうちに
彼女を光が包みだした。
「生きて。
私は消えてしまうけど
きっとあなたを見てる。
大丈夫。空から見てるから」
「ありがとう」
僕は彼女を見つめながら
震える声で言った。
するとにっこりとした笑顔を
返してくれた。
「よかった。
君を守るっていう約束を
ちゃんと未来の君に守れた」
未来の僕が?
僕が彼女を作ったって事?