大好きでした…。

 「空稀!部活どうするか決めたぁ?」

中学に入学してからすぐに仲良くなった友達の紗耶香。

 「う~ん…陸上部か、吹奏楽部にするつもりだよ!紗耶香はやっぱバスケでしょ?」

 「うん。今入部届けだしてきたよ!」

紗耶香はねすごくバスケが上手いんだ。

だから当然バスケ部。




あたしはっていうと…


小学校の頃はスポーツクラブでずっと陸上をやってきた。


走るのは大好きだし、遅くだってないんだけど…


はっきり言って限界なの。


昔、右脚の靭帯を切っちゃったんだけど、上手く治らなかったっていうか…


たまに痛むことはあっても、


小学生のレベルの試合や練習では通用してた。


このままやっていれば陸上は続けていけたのかもしれない…


でも、クラブの先生がね、



『中学の陸上はちょっと無理があるかと思うんだ…。

 確かに空稀は足も速い。

 メンタル面でだって練習には充分ついていける、
 
 でもな、右足はついてきてくれない。

 もしかしたら、また切れてしまうかもしれない。』


って、言ってきて…。


怖くなったの。


またあんなに痛い思いをするのもだけど、


自分で自分の限界に気づくのが。


あんなに楽しかった走ることでさえ、


力を加減して慎重に走るようになった。

< 2 / 3 >

この作品をシェア

pagetop