run through the midnight

覚醒

しばらく走ると、コンビニに入った。
「ドリンクを買おう」
全員が降りる。
舞子はバッグから財布だけ取り出し、車を降りた。
降りて気づいたのだが、コンビニの駐車場はとても混雑している。
店内も同じ。
それも、同年代の男の子ばかり。
いったいこのコンビにはどうなっているの?
舞子は疑問に思いながら、隆にウーロン茶を買ってもらった。
車に戻り、R33の重いドアを締めた瞬間
「全員シートベルト。後ろも。」
と強い口調でさーが言う。
穏やかなさーの口から強く言われたことも不思議だった。
車内に“カチャ”という音が4回響く。
コンビニの駐車場を左折すると、隆もまっちゃんもさーも黙ってしまった。
一瞬の張りつめた空気。
さっきとは車内に何か全く別の人が乗っているかのように錯覚する。
やがて、その張りつめた空気の先にあるものを知る。