スキ。
-梨奈-

「・・・おい梨奈」
「しっ、翔!!何?どしたの?」
あたしは、いきなり翔が話しかけてドキドキしてた。
「・・・あのさ・・・・・
心愛ちゃんと、何かあった?」
「・・・・・え?」
「なんかお前のこと避けてるっぽいし・・・」
理由は1つしかない。
“あたしと翔が付き合った”・・・。
たったそれだけ。
「・・・どした?」
「っあのねっ翔・・・」
あたしは、付き合わないほうがよかったかな?って思って・・・
そう言おうとした。
だけど、そう言える空気じゃなかった。
心愛が、こっちをガン見。睨んでくる・・・。
「・・・梨奈?」
「・・・なんでもない!!」
怖かった。
親友が・・・心愛が、いなくなっちゃうのが。
「おい梨奈!待てよ!どうしたんだよっ・・・」
「もうごめん!!ほっといて!!」
・・・ごめんね翔。
翔が大事。すっごく大事だよ。
だけど今は・・・
心愛の存在が、すっごく大きく見えちゃうの・・・・・。
あたしは、走って教室を出た。
トイレに逃げ込んだ。
そのとき・・・
「・・・う・・・ぐすっ」
目の前には、心愛がいた。
しかも・・・・・号泣中。
「ここ・・・・・あ・・・・・?!」
「あっ・・・あんた!なにしに来たのよ!」
「いやっ・・・、ただトイレに・・・」
心愛の目は真っ赤。
「・・・ここで泣いてたこと・・・っ
誰にも言わないでね!!」
そう言って心愛は出て行った。
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