スキ。
-尚人-

オレは、びっくりするほかなかった。
だってあんなにもオレの目にかわいくうつってた心愛ちゃんが・・・
梨奈ちゃんに暴力なんて。
ありえないだろ。心愛ちゃんは、ほんとはとってもいい子のはずなのに。
どうしてこんな・・・
みんなして、心愛ちゃんをそんなに冷たい目で見るんだ。
【to:心愛ちゃん Fromm:尚人
本文:こんばんは!今日あったこと、詳しく聞かせてくれない?
言いにくいってことはわかってる。でも誰にも言わないよ】
いてもたってもいられなくなって、心愛ちゃんにメールしてしまった。
メールの文章は、冷静さを装った・・・はず。
だけどオレの心は、冷静さを装うのは難しかった。
返信は1時間後だった。
【to:尚人くん Fromm:心愛
本文:どうしてそんなこと聞くの?】
・・・・・・。
どうしてって・・・何?
心愛ちゃんが好きだから。
好きだから、知りたいって思ってるだけ。
なのになんで、伝わらないんだ・・・。
『ヴ-ヴ-・・・』
・・・電話。
翔からだ。
「もしも・・・」
『あ、尚人!梨奈と心愛の殴り合いの真相、分かったか!?』
・・・・・殴り合いって。
梨奈ちゃんは殴ってないでしょ。
「・・・いや、わかんねぇ」
『そうか。オレも梨奈に必死に聞き出そうとしてんだけど・・・』
「心愛ちゃんも、言ってくれないよ」
『どうする?もう脈無しじゃねぇ?このままいってもさ』
脈・・・無し。
確かにそうかもしれない。
「そうかもしれないけど・・・
他に何も方法は・・・」
『ふっふっふ~』
翔が不気味&意味不な笑みを浮かべた。
『オレに秘策があるんだよ・・・』
「秘策・・・??」
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