お化け屋敷
「やっと・・会えましたね。」



と花の君は美しい顔を赤らめて幸せそうに笑う。



「えっ・・。」



「あなただけじゃないんです。私もずっとあなたに会いたかったんです。」



「花の君・・。」



「あなたが自殺したと聞いてから私は、抜け殻のようになってしまいました。そして、あなたが亡くなった丁度1年後、私は体が弱りきって病気になり死にました。」



「・・・・・・・・。」



「私は死んでからあなたをずっと探し続けました。しかし、あなたは、見つからなかったのです。」



「・・僕は、死んでもなお絶望から立ち直れなく幽体のまま眠っていたのです。あなたが、探してくれていたと知っていたのなら、流れ星よりも速く目覚めたでしょう。」


とさめざめと大納言さんは、言う




「・・それは、無理ですね。人間が、流れ星の速さに勝てるわけがありません。」


今までの、雰囲気をぶち壊すように花の君が現実的な事を言い出した。



意外と天然?なのかもしれない。



「いや。あのそういう意味では・・・。」



と大納言さんはかなり困っている。




でも、その困り顔が何となく幸せそうに見えた。
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