* 翼をください * ー俺様柏原の不器用Loveー
悪夢再び!?
それからしばらく経って、季節は春から夏へ変わろうとしている。
相変わらず、柏原と合えばケンカになるし、清四郎からは謎かけのような事ばかり言われる日々を過ごしていた。
勉強以外の事で心乱されるも、なんとか成績は下がる事無く、でも上がる事も無い状態を保っている。
今日も朝から、俺様柏原の周りに群がる黄色い声に、深いタメ息をつきながら席に着いた。
「キャー、柏原様、フランクミュラーのクレイジーアワーズ・トゥールビヨンを入手されたんですか?」
「特注で、俺様仕様にしてもらってるから、まだ手元にはないんだけどね。」
「いや~ん!すご~い♪」
入学して2か月余り、この学校の女子とは、あまり馴染めずにいた。
こんな風に、男の前でクネクネするような人達と、馴染めなくて結構!
しかし、何?その狂ったフランクフルトみたいな名前は!
私はフランクフルトよりも、アメリカンドッグの方が好きだけどね。
なんて、くだらない事を考えていると、満足そうな顔の柏原と目が合った。