* 翼をください * ー俺様柏原の不器用Loveー
放課後帰る準備をしていると、教室のドアの所で、お人形さんのように可愛らしい女の子が、
誰かを探すように頭だけを動かしているのが目に入った。
どこかで見た事があるような・・・。
考えを巡らせていると、その女の子と目が合った。
えっ・・・?
私はハッと息を飲んだ。
その女の子が一瞬、ほんの一瞬だったけど、敵意をむき出しにしたような鋭い目で私を睨んだ気がしたから。
でも、すぐに天使の様な、とびっきりの笑顔で私を見て微笑んだ。
気のせい・・・、だったのかな?
少しモヤモヤした気持ちを残して、私も微笑み返した。
「森山さんですよね?柏原様が体育倉庫で待っているそうです。
4時までに来ないと、バイトはクビだと伝言を頼まれましたので。」
ぺこりと頭を下げて、女の子は逃げるように走っていった。