*  翼をください   * ー俺様柏原の不器用Loveー

「あと4分だけど?」


事の成り行きを見ていた清四郎が、壁掛け時計を指差して、隣でニヤけている。


「NO―――――――N!」


どうやら、うだうだ考えている間に、貴重な1分を無駄にしてしまったようだ。



「ワガママな彼氏を持つと、大変だね。」


「彼氏じゃないし!」


確実にこの状況を楽しんでいる清四郎に、一応ツッコミをいれつつ、

カバンに荷物を放り込むと、慌てて教室を飛び出した。



「あと3ぷーん。」


廊下の角を曲がったところで、後ろのほうから、明らかにこの状況を楽しんでいる様子の、清四郎が叫ぶ声がした。


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