* 翼をください * ー俺様柏原の不器用Loveー
「こんな事して恥ずかしくないの?高校生にもなって味方を引き連れて、大勢で一人を取り囲んで。
バカバカしい、こんな事に付き合ってる程、暇じゃないの。あんたらに従えって?死んでもイヤ!」
関わるのもバカらしくなって、扉の方へ歩き出すと、周りの女子が固まって、壁を作った。
みんな、気味の悪い薄ら笑いを浮かべている。
私はPKのサッカーボールかっつーの!
大きな溜息を漏らして口を開きかけた時、後ろから高い声で笑う綾香の声が聞こえてきて振り向いた。
「つくづく気に入らない女ね!まぁいいわ、いつまで強気でいられるかしら?」
その言葉が合図かのように、周りの女子の間から見知らぬ男子が4人、
うすら笑いを浮かべながら出てきた。
「これでも強気な態度でいられるかしら?私達に服従するって言うなら、今のうちよ!」
あームカつく、この女!
頭の神経いかれてるんじゃないの?
服従するなんて、死んでも嫌!
「何をするつもりよ!」
「この状況を見なさいよ、分かるでしょ?さあ、言いなさいよ、服従しますって。
言っておくけど、うちの兄、手加減しないから。」
綾香がそう言うと、リーダー格風の男が、得意げに鼻を鳴らした。