* 翼をください * ー俺様柏原の不器用Loveー
やっぱり嫌!
自分の信念、曲げられないわ!
私は覚悟を決めて、首を横に振った。
「お兄ちゃん、やって。」
綾香の合図で、男たちが一歩づつ近づいてきた。
逃げ場を探すけど、出口は塞がれているし、他に逃げられそうな場所は無い。
必死で逃げ回ったのに、簡単につかまり、男たちに担がれて、埃っぽいマットの上に投げ落とされた。
悔しいけど、腰が抜けてしまって立つ事が出来ない。
一人の男に両腕を掴まれ、もう一人はジタバタともがく、私の足首を掴んだ。
「何するのよ!やめなさいよ!!」
「いいねー、その必死な顔、もっと叫ぶんだ。もっと聞かせろ。」
もう一人の男が、ビデオを回しながら、興奮気味に話しかける。
いくらもがいても、どう足掻いても、ガッチリと掴まれた腕からは、逃れられそうになかった。