*  翼をください   * ー俺様柏原の不器用Loveー

重いはずの、体育倉庫の扉が、勢いよく音をたてて開き、

今まで見た中で一番怖い顔をした柏原が立っていた。


息を切らして、苦しそうに肩で呼吸をする様子から、慌てて走って来てくれたのが分かる。



私が今、強く思った人・・・。


柏原が、そこにいる。



自然と、苦しかった呼吸が落ちつくのを感じた。


安堵で、今まで我慢していた涙が、一気に溢れ出す。


男たちの力が緩み、その隙に体を起こし、無残に引き裂かれたブラウスを掛け合わせて、体を隠した。



こんな姿、見られたくなかったな・・・。


ポロポロと零れ落ちる涙を止める事も出来ないまま、柏原から目を逸らした。


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