*  翼をください   * ー俺様柏原の不器用Loveー

「あっ!!」


べしゃっ・・・ザー。


何かにつまずいて派手に転んだ私の手からはカバンが飛んで、中身が飛び出した。


体のあちこちが、痛くて悲鳴を上げる。


それでもなんとか立ち上がると、私の横には腕組をして、怒った顔の女が立っていた。


「あんた、新人さん?柏原様に盾突くって、どうゆう事よ。」


この子、そういえばさっき、柏原の取り巻きの先頭にいた女だ。


ははーん、こいつが私に足を引っかけた訳ね。


「別に私が何を言おうと勝手でしょ?腹が立ったから、思った事を言っただけよ。

だいたい、あなたこそ何?人としてどうなの!?足を引っ掛けるなんて幼稚ないたずらね。」


「なっ・・・!」


「それに柏原様って何よ、様って。同じ学校の生徒に様をつけるなんて、アホくさっ。」


最初が肝心と、私は強気で迫る。


今や、教室中の生徒が、私と、取り巻き女のバトルに意識を集中していた。

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