* 翼をください * ー俺様柏原の不器用Loveー
こうゆう時・・・?
そうだ・・・。
『大嫌い宣言』のせいで、すっかり飛んでいたけど私、綾香のせいで、男達に乱暴されて・・・。
引っ叩かれた左頬が、ズキズキと痛む。
かすかに残る血の味が、口の中に広がる。
無理に掴まれた手首が痛い。
薄笑いを浮かべる男達の顔が、私の心を支配する。
今になって、恐怖が私を襲ってきた。
「・・・さん、サラさん!」
瞳ちゃんの大きな声で、ハッと我に返る。
「大丈夫ですか?すみません、嫌な事を思い出させてしまって。」
「だ、大丈夫。ごめんね?」
無理して笑って見せるけど、体の震えは止まらなかった。
「今、温かい飲み物、用意しますね。」
そう言って、瞳ちゃんは慌ててキッチンへ向かった。
荒くなり、苦しくなる呼吸を必死になだめる。
情けないな・・・、私。